【プレイ解説】ステファン・カリー「安定感をもたらす両目のライン」

第二回は人類最高のシューターStephen Curry(ステファン・カリー現ゴールデンステート・ウォリアーズ)

土台のシュート率もさることながら、なぜあんなにドリブルで動きながらシュートが決まるのか?

その安定感の一因を解説していきます!

前回の記事はこちら↓

今回注目するポイントは「両目のライン」について!

優れたシューターは目が良い、それは動体視力や深視力といった視力単体だけではなく目線の向け方など技術的な事も含みます。

カリーに限らずシュート力が高い人は、両目を結んだラインを地面と水平を維持したままプレー出来ている選手が多いです。


野球やゴルフのスイングを、首を斜めに傾けて打ってもいつも通り狙えますか?

動きながらカメラを手に持って撮ると、写真がブレてたりしませんか?

おそらく大抵の人は距離感や感覚にズレが起こるはずです。


両目のライン、または単純に頭(レンズ)を地面と水平の状態を保つ事で事で、より正確に物の位置を脳が把握出来ます。

静止した状態からのシュートはほとんどの人が出来ていると思いますが、動きからのミートやドリブルシュート、ハードなDFに守られている時のシュートは頭が揺れて狙いが荒くなっている事も(タフショット)


カリーの目のライン、頭の位置に注目しながら動画を見ていきましょう!



1本目

この赤線のラインが目のラインです。



2本目

外したショットのORを味方が取り、もう一度打つためコーナーに。

頭はブレていません。

キャッチした瞬間。

足は急ストップして一見流れているように見えますが、目線は地面と水平。

上半身の軸も一直線です。



3本目

これは後ろからなので目は分かりませんが、頭と耳の位置が水平です。

そしてこのシーンだけでなく、ドリブル中も横にステップした時もシュートを構えるときも同じ。



4本目

DFを振り切るためにドリブルで切り返し、目線も使い左右に動いているのですが…

仕掛ける時。

揺さぶる時

打つ直前

全て水平ラインを維持していました。

視線を使う、といっても大袈裟に首を振ったり頭を揺らさずに行っていて、これもブレを少なくするのに大切なポイントだと思います。



5本目

これに関しては目の事よりもスペースの作り方、DFの動かし方の判断とスキルがエゲツなかったですが…また別の記事で。

踏み込み時もステップバックした後もリングを向き水平になっています。



6本目

DFの名手のブラッドリー(緑0番)につかれていたのでスクリーンを使い機動力のないビッグマンにスイッチさせてミスマッチをクリエイト。

既に揺さぶれれているので視線のフェイクなどはありませんが、両目のラインは水平です。



7本目


シュートフェイクから横に移動しシュート。

本当に上下に体がブレずに安定しています。



残り時間数秒で数点差を争う場面。

エースシューターのカリーは一番警戒されプレッシャーがかかる場面なのに、ブレずに正確に狙い続けています。

ずっと両目のラインが水平か、頭がブレていないかと言ってきましたが、それをただしているから凄いのではなく、動きながらDFと駆け引きしつつ頭や体幹などの軸が崩れないその積み上げてきた土台が凄まじいです。


これはただ量を打つだけでなく、軸をずらさないとかスピードなどの意識するポイントをどれだけ持つか、DFをどれだけ想定しながら状況を作っているか、シュートの為にフィジカルを鍛えているかなど全ての努力がこの土台を作っています。


自分のシュートの理想は

・試合で打つ全てのシュートを練習し

・同じ位置同じタイミング同じ形で打てば

・同じ結果(スコア)になる

と考えています。

勿論シュートが100%入る人間はまだいませんし、実際の試合では練習と違う事もおこれば、全てを練習する時間も中々ありません。

それでもどれだけ実践を想定し、再現しようとしていくかが大事です。


その中の再現性の一つとして、手のタッチやフォームに加えて両目のラインは水平か?

難しいムーブが出来ても頭や体幹が揺れてズレが出ないか?

といった安定感を突き詰めることも、シュート力を向上させる大切な要素だと思います。


スキルポイントまとめ

①両目のラインを地面と水平にさせる

②プレッシャーがある時こそ自分の軸を保つ

③実践を想定し練習することが成長のポイント



次回は現代のビックマンに必要な動きを解説していきます!