【プレイ解説】アンドレ・ミラー「Gがペイントで点を取る為に」
第4回はアメリカ代表やアシスト王にも輝いた名PG、Andre Miller(アンドレ・
ミラー元デンバーナゲッツ等)
しかし身長は低く3Pもない中、今よりスペースが狭い2000年代にインサイドでガンガンポストアタックし、キャリアハイは52点も奪ったおそらく歴代でトップレベルにポストプレーが上手いPG、1on1マスターでもあります。
サイズの小さい選手がインサイドでスコアする為のスキルを解説していきます。
【スキルポイントまとめ】
①前を向いて抜くだけでなく、半身や背中を向けて仕掛ける事も有効。
②小さい選手ほど、先に仕掛けコンタクトする事が重要!
③力勝負ではなく、力を発揮させないコンタクトを!
まずこのスキルを標準化していきたい!
外のポジションの選手はフェイスアップ(リングに正対した状態)から仕掛ける事がほとんどで、一度ドライブが止められてたり抜けなかったら手詰まりになる選手も多いですが、ここでポストプレーが活用できます。
0:17~からのプレー
ウィングの1on1から徐々に侵入し
ハーフターンで半身になり、ポストプレーの形に。
アンドレは最初から狙っていますが、例えドライブを仕掛けて抜けなくても一旦ボールキープと周りの確認を同時に行えます。
もしヘルプが寄っていたら、片手でのパスアウトも。
パスがうまいアウトサイドの選手ほど、ポストでボールを貰う事はゲームメイクのチャンスであったりもします。
ここはアイソレーション気味に味方がスペースを作りヘルプがいないので自ら仕掛ける。
肩をいれてミドルサイドにドライブ。
これはドライブからのヘジテーションの動きでも応用できます。
ミドルが空いてなければロールターンでエンドラインに。
半身からのドライブとロール。
この二つがあればアタック出来ます。
ドライブからポップしてストップする間に相手にコンタクト。
これで相手を踏ん張らせて、次のシュートの時にブロックに飛ばし辛くさせます。
相手の方が大きいという場合でも、先に自分からぶつかることでアドバンテージを取れます(押し合いになると体格差がモロにでます。)
続いて0:30〜からのプレー
203cmのHarrison Barnes(ハリソン・バーンズ現サクラメントキングス)とマッチアップ、アンドレの身長は188cm、15cmのサイズ差です。
しかしそこでアンドレにボールが託されるくらい、効果的と認知されているのがアンドレのポストからの1on1。
身長が低く、しかし相手よりクイックネスがある場合は、あえて正面を向くのも有効です。
正対する瞬間に踏み込むと緩急を使って攻めれるのと、自分が小さい時のメリットに相手が自分の動きを捉えようと注視しやすい=動きに反応させやすいです。
OFの頭がDFの肩や腰付近まで急に近づいて下がったら、DFは下を見るために屈んで姿勢が崩れたり、後ろに下がって位置を捕まえようという反応になりやすい。
ハリソンは姿勢を維持しスライドでついていきましたが、レーンを埋めれず大きく後ろに引いてしまいます。
アンドレが左足で急ストップした時には反応しすぎて半身の状態になってしまいました。
にしても素晴らしい踏み込みです。
ドリブルはDFからボール取られない遠い位置で、反対側のオフハンドはここまで低くなるほど鋭く大きく低い縦足。
普通ここまで行くとバランスを崩したり二の足が踏めないですが次のプレー。
クロスステップ→背中を向けての両足ストップ。
ここで勢いを殺しフロントターンしてジャンパーorドライブか、バックターンからリバースショットが基本になりますがどちらもブロックやヘルプに来られる可能性が残っている。
DFの重心が左後ろにあるので逆の右(画面左)に移動しますが、ドリブルを止めずにここから
ギャロップステップで。
バネもですが、かなり難易度の高いフットワーク。
5~10cm差ならフェイダウェイやフックで決めれる場面ですがまだ崩しきれません。
そこで
ポンプフェイクからステップイン。
下半身の溜めを残したまま頭の高さまでボールを持ち上げる大きなポンプフェイク(リフトと呼んでます)
相手の重心が浮いた所でステップインを相手の胴体に寄りかかりながらすり抜けます。
こうする事で最短距離を進めるだけでなく、相手を下から押し込む事でこれ以上踏ん張れず全力で飛んでのブロックが難しくなります(一般の方は手ではたくだけしか出来ずFになりやすいかも。)
最後はリバースでフィニッシュ。
DFのブロックがリングより高い所に届くレベルの試合だと、アンダーサイズの選手のゴール下の合わせは基本バックシュート系を推奨します。
レイアップではなくリングを挟んでシュートを打つことでよりブロックできるコースを制限でき、仮に触られてもゴールテンディングになるからです。
この試合の決勝シュートもドライブからこの駆け引きを使っています
高校生以下のカテゴリーであれば、クイックシュートの練習の方が実用性があると思います。
また味方インサイドがゴール下をサークルカットした事でシュートを打つスペースを作ったのもナイスアシストです。
この2つ以外にもドライブレイアップをあえて相手にコンタクトしてから腕を広げて外から打つことでスペーズを確保したり(0:53~)
小さい選手がシュートを決めるためにはスピードで抜く以外にも方法はあります。
そもそもスピードで抜くよりもコンタクトの仕方が重要です。
スピード勝負だと、相手が歩幅とフットワーク次第で追いつかれるかもしれない。
大きくて飛べる選手なら、例え抜いても空中でブロックしてくるかもしれない。
しかし体を鍛え接触の仕方を覚えると、相手は踏ん張れない飛べないという状況を生み出せます。
相手を如何に上回るか、より相手の力をどれだけ発揮できない様にするか。
どれだけ優れたシューターやハンドラーも、ボールを持たせなければそのスキルを活かせない。
ブロックの得意なビッグマンでも、マークマンが外に出たらヘルプに行けないかノーマークを作ってしまう。
アウトサイドの選手、特に身長の小さな選手はスピードと外のシュートを極める!
という選手が多いと思います。
ですがスピードだけだと上には上がいますし、同等のスピードだと身長や足幅が長い選手の方が有利です。
外のシュートもサイズのある選手の方がシュートチェックを気にせず打てる分確率が高くなりやすい。
しかし同等のパワー(この場合当たりの強さ)のオフェンスとディフェンスがコンタクトした時、小さい選手の方が重心が低い分相手をカチ上げて突破できる事もあります!
サイズがない選手程コンタクトの仕方…ポストムーズやドライブ中の当たり方を身に付け、体を鍛えて、大きな選手を相手を恐れずにアタックする強い気持ちを持つ事も大切です。
まず体を鍛え能力を高める事は絶対大事。
そしてその次に能力の活かし方、スキルを身につける事。
そして自分以上の能力、サイズ、スキルのある相手に勝つ為に個人で取り組めることの中に、コンタクトという相手の力を発揮させず自分の仕事を遂行する技術が、ビックマン以上にサイズのない選手は重要になってきます。
最後にもう一度
【スキルポイントまとめ】
①前を向いて抜くだけでなく、半身や背中を向けて仕掛ける事も有効。
②小さい選手ほど、先に仕掛けコンタクトする事が重要!
③力勝負ではなく、力を発揮させないコンタクトを!
0コメント